奨学金と聞けば、一昔前まではどんな人にも勉強をする機会を与える制度。
といった印象が強かったですが、昨今では莫大な金額を、学校を卒業したばかりの若い子が返していかなければいけないもの、と感じる方も多くなっています。
しかし、実際問題、この奨学金があったからこそ高校や大学へ進むことができたという事実もあります。
一度借りてしまった以上、何とか返そうとする方ばかりですが、ついついうっかり払い忘れてしまったということもあるもの。
奨学金の支払いを忘れてしまった場合、どのような対処が必要になるのでしょうか。
また、奨学金の支払いを放置してしまった場合、最終的にはどのようなデメリットがあるのでしょうか。
ここから詳しく見ていきましょう。
奨学金の払い忘れで支払いが遅れたらどうなる?
奨学金の支払いが遅れてしまった、こんな場合、まずは翌月に2ヵ月分が引き落とされるという、再引き落としの方法が採用されています。
しかし、この翌月分での引き落としも実行できなかった場合、次は「督促通知」に払い込み用紙の納付書がついて送られてくることになります。
基本的に督促状が送られてくる前後に、なぜ支払えなかったのか、などの連絡をしている場合はそこまで問題は起こりません。
いつまでに支払いをお願いします、または支払いが難しいという状況だとわかれば、返還金の猶予や減額などの処置を進められることになるのです。
しかし、ここで支払いがないばかりか、何の連絡もないまま3か月を過ぎると、連帯保証人へ連絡がいくことになります。
そして、ここまで来てもまた何らのアクションもない場合は、債権回収会社へ委託されることになります。
基本的に何らかのアクションを取らない限り、奨学金の返済をしなくてもいいということにはなりません。
最終的には裁判、差し押さえなどの強制的な措置を取られてしまうこともあるので、早め早めに行動を起こしましょう。
延滞料金発生する?いくらになる?
支払いが遅れれば延滞金が発生します。
ただ、奨学金は十分な資金がない学生に、それでも勉強を受けるために返還が必要だとしても、資金を貸し出しているものです。
返済に関しても、できうるだけの制度がとられており、きちんと申請をすれば、3年間は無利子のままで返済をストップすることもできます。
ただ、うっかりで払い忘れただけという場合は、延滞料金とともに支払いをしてしまいましょう。
返済期日より6か月経過している場合
第一種奨学金 | 延滞利率2.5% |
第二種奨学金 | 延滞利率5% |
ではここから例としていくつか延滞金のシミュレーションを見てみましょう。
- 第一種奨学金、16000円を190日払い忘れてしまった場合:16000×0.025×190÷366=207.65。端数切捨てで207円の延滞金になります。
- 第一種奨学金、26000円を200日払い忘れてしまった場合:26000×0.025×200÷366=355.19。端数切捨てで355円の延滞金になります。
- 第二種奨学金、16000円を200日払い忘れてしまった場合:16000×0.05×200÷366=437.15。端数切捨てで437円の延滞金になります。
- 第二種奨学金、29000円を220日払い忘れてしまった場合:29000×0.05×220÷366=871.58。端数切捨てで871円の延滞金になります。
元金に比べれば微々たるものとも感じますが、積もり積もれば大きな額となります。
なるべく早めに支払ってしまうようにしましょう。
奨学金の支払いが遅れたらすぐにやるべき対処法まとめ
では奨学金の支払い忘れに気づいた際、まずできる対処法とは何があるのかといわれれば、まず第一に日本学生支援機構に連絡、相談をしましょう。
うっかり忘れてしまった、口座にお金を入れることを忘れていた、など単純ミスの場合、いつどのように支払えばいいのかといったところを的確に指示してくれます。
また、支払いが困難な場合なども、同じように連絡をすれば、各種用意されている制度を紹介してくれることもあります。
上記でも紹介してましたが、奨学金はあくまでも勉強をしたいと考える学生のためのものです。
莫大な金額になってしまい、返済が難しいと考える方も多い奨学金ですが、救済制度はいくつもあります。
支払いに遅れてしまった、支払いが難しい、どちらにしてもしっかりと連絡、相談をすることによって最善の手段を選ぶことができます。
奨学金のクレジットカード支払いってできる?できない?
ポイントバックや支払い忘れをほぼ確実に防ぐことができることから、クレジットカードでの支払いが人気になっています。
そんな便利なクレジットカード、奨学金の支払いはできるのでしょうか?
結果から言えば残念ながら奨学金の返済は、口座振替のみとなっているようです。
クレジットカードでの支払いは、またほかのものにすることとして、奨学金の支払いはあきらめましょう。

