新幹線の料金を調べるとき、かならず表示されるあの「ややこしい料金表」。新幹線に乗ったことがある人なら一度は目にしたことがあると思います。

どうして新幹線の料金表ってあんなにややこしいのでしょうか?実はそのウラには「新幹線という乗り物ならではの理由」があります。

その理由を知っておくと、新幹線をよりおトクに乗る方法が見えてきます。浮いたお金でちょっとリッチにグリーン車に乗ってみませんか?

今回は、新幹線の料金がややこしい理由をもとに、一番安く新幹線に乗る方法をお話していきます。

新幹線の料金の見方

はじめに、乗車券と特急券の違いを知ろう

新幹線のきっぷは、2種類あるってご存知ですか?新幹線のきっぷを買うと「乗車券」と「新幹線特急券」の2枚を受け取るはずです。

「1枚しかもらわなかったよ?」という人は、そのきっぷをよく見てみましょう。きっぷには必ず「乗車券・新幹線特急券」と書かれているはずです。

新幹線に乗るには「乗車券」と「新幹線特急券」のどちらも必要で、片方だけでは新幹線に乗ることはできません。その理由を知るために、まずは「乗車券」と「新幹線特急券」のそれぞれの意味を追ってみましょう。

「乗車券」と「新幹線特急券」の違い
  • 乗車券

新幹線に乗るときの「運賃」です。電車やバス、船などに乗るときにも乗車券(乗船券)を購入しますが、それと同じ性質の料金です。「ここからここまで乗ります。」という意味のきっぷなので乗車する距離に応じて金額が高くなります。

  • 新幹線特急券

新幹線は一般の電車よりも速く移動する乗り物で、その利便性と効果は電車やバスとは比べものになりません。その点で「特別な乗り物」とされる新幹線に対して支払うのが「特急代」です。

「特急券」とは「特急=特別に急いでもらうための別料金」と意訳すれば分かりやすいでしょう。(ちなみに「成田エクスプレス」などの特急列車でもこのような「特急料金」が必要です。)

このように、新幹線には「乗車券」とは別に「特急券」が必要です。だからきっぷは2種類になるんですね。ちなみにこの2種類は、今後の説明でも深く関わってきますので覚えておいてくださいね。

ややこしい「あの表」の見方を徹底紹介!

冒頭でもお話したとおり、新幹線の料金は非常にややこしいです。

運行会社各社のホームページでは、新幹線の料金を説明するために下のような料金表を用いていますが、これを見てひと目で「いくら」と判断できるのは、新幹線に乗りなれている人だけだと思います。

 

しかし新幹線の料金が「乗車券」と「新幹線特急券」の2種類があることが分かっていれば、新幹線の料金表の解読はそれほど難しいことではありません。

新幹線の料金のナゾを説くために、料金表の見方をついでにマスターしておきましょう。

まずは新幹線の種類を確認!

新幹線の料金表は新幹線の種類(のぞみ・ひかり・こだまなど)ごとに作られていますので、まずは新幹線の種類を確認しましょう。

のぞみに乗りたいのに、間違ってひかりやこだまのページを見てしまうとまったく違う金額が書かれていますので気をつけてくださいね。

料金表の中身を確認!

次は表中の「出発する駅と到着した駅が交差するところ」を見ましょう。その中に書かれているのが「実際の料金」です。

たとえば東京から出発して、新大阪まで行きたい場合は下の図の赤枠が交差するところを見てください。

「8,750・5,700・4,870」という数字が3列に書かれていますよね。

ややこしい表ですが、意味さえわかればこれほど分かりやすい表はないんじゃないか、考えた人すごいなーと筆者は感心するばかりです。

赤枠の中の3種類の数字は、そのまま新幹線の料金です。表内に凡例がありますが、3つはそれぞれこのような意味をもっています。

上段:運賃
中段:指定席特急料金(通常期)
下段:自由席利用時の特定特急料金

上段の運賃は、はじめにお話した「運賃=乗車券」のことでしたよね。新幹線に乗るための基本料金です。

その下中段の「指定席特急料金(通常時)」は、この新幹線で「指定席」に乗る場合の特急料金で、さらに一番下の段は自由席を利用するときの特急料金です。

利用するのは自由席か指定席のどちらかですから、上段の料金(8,750円)に自由席・指定席の特急料金のどちらかを足すことで東京から新大阪までの料金が算出できます。つまり東京から新大阪まで行くときの料金は

  • 指定席なら 8,750円+5,700円=14,450円
  • 自由席なら 8,750円+4,870円=13,620円

ということになります。いかがでしょう?意味さえわかれば簡単ですよね?

東京から新大阪まで、グリーン席ならいくら?

新幹線には、「グリーン席」というワンランク上の座席がありますグリーン席は「グリーン車」という専用車両があり、ホームから見ても高級感が漂っています。

グリーン席は快適に過ごせることが一番の特徴ですが、利用するとなると料金が気になりますよね。極端に高くなるなら諦めがつきますが、手に届く範囲の金額なら乗ってみたいもの。では、グリーン車の料金はいくらくらいするのでしょうか。

グリーン車は料金が「別途」必要

「グリーン車にのるための料金」は、乗車券・特急券とは別に「グリーン料金」が必要です。指定席料金が割り増しになるのではなく、個別の「グリーン料金」を支払わなければなりません。

このグリーン料金は、1回の乗車にいくらではなく、「どれだけ走るか」の営業キロで計算され100kmごとに料金がUPします。

東京から運行する場合のグリーン料金は、各駅で以下のとおりです。

営業キロ 100kmまで 200kmまで 400kmまで 600kmまで 800kmまで 801km以上
目安  小田原 静岡 名古屋 新大阪 岡山 広島・博多
グリーン料金  1,280円  2,750円  4,110円  5,300円  6,480円  7,650円

たとえば東京から新大阪までの距離は600Km範囲内ですから、グリーン料金は5,300円。新大阪までの乗車券と指定席に、5,300円のグリーン料金が加算されます。ちなみにグリーン席は全席指定のため、一般の指定席料金から520円が割り引かれます。

これをふまえ、東京から新大阪まで指定席でグリーン車乗った場合の料金を計算すると、(8,750円-520円)+5,700円+5,300円=19,320円となります。

東京から新大阪までの乗車時間は、のぞみで約2時間30分、ひかりで約3時間です。この時間を5,300円支払うことで快適に過ごせるとしたなら、あなたならどうしますか?

新幹線のこども運賃について

新幹線の運賃は、年齢に応じた以下のような割引料金があります。

新幹線のこども料金

・6歳〜12歳の小学生大人運賃の半額
・1歳〜6歳までの未就学児自由席は無料
・1歳未満=無料

12歳までなら大人の半額で乗車することができ、まだ学校に入学していないお子さまは自由席のみ無料、1歳未満の赤ちゃんはすべて無料となっています。

ちなみに同じ「12歳」であっても中学生の場合は大人として扱われ、同じ年に生まれたお子さんでも乗車時に小学生なのか中学生なのかで料金が変わります。

また、6歳までの未就学児のお子さまは、自由席利用は基本的には無料ですが無料になるには制限があります。

こどもが無料になるのは「人数」が大きく影響します。1枚のきっぷで無料で連れて入れるこどもの数は2人までですから、6歳未満のお子さんを3人乗せるときは「大人1人・こども1人分」の料金が必要となります。

しかし、1人のお子さまが小学生の場合は話が変わります。小学生は大人の半額を支払いますので、その分あらたに2人6歳未満のお子さまを同行できます。

つまり、お母さんと小学生のお兄ちゃん(半額)がきっぷを1枚ずつ購入することで、6歳未満の弟妹たちが4人無料で新幹線に乗れることになります。

こどもでも指定席は有料!

6歳から12歳で小学生のお子さまであれば大人の半額の料金で新幹線に乗車でき、指定席の料金についても「半額」は適用されます。

たとえば東京から新大阪までの指定席特急券の料金は5,700円ですから、その半額で2,850円が指定席代として必要となります。乗車券も8,750円の半額が必要になります。

つまり、12歳までの小学生のお子さまを東京から新大阪まで新幹線に乗せる場合は

  • 指定席特急券5,700円の半額・・・2,850円
  • 乗車券8,750円の半額・・・4,370円

このような計算となり、その結果合計7,220円のこども料金が必要になります!

グリーン席は大人と同額!

グリーン料金については、こども料金が存在せず大人とまったくの同額の料金がかかります。さらに1歳から6歳までの未就学児のお子さまであっても大人と同額の料金が必要です。

グリーン車に無料で乗れるお子さまは、唯一座席を利用しない乳児(1歳未満)のみとなっています。

自由席と指定席の違い、料金や環境など

自由席と指定席で大きく違うのは、やはり「金額」の差です。

指定席なら乗車券が8,750円、指定席代金が5,700円で14,450円です。自由席なら乗車券合計13,620円で、その差は830円程度です。

金額的には1,000円と変わりませんし、指定席車両と自由席車両の環境に大差はありません。しかし、指定席には指定席ならではの「利便性」に大きな違いがあります。

  • 席を確実に押さえてあるので、空き席を探す必要がない
  • お手洗いなどで一時的に席を立ってもだれにも席をとられない

指定席とは「自分のために用意された席」ですから、他の人に席をとられる心配はまったくありません。仮に誰かが席に座っていても「ここは私が予約した席です。」と堂々と主張することができます。

つまり「横入り」とか「順番飛ばし」など、自由席で起こりがちなストレスを感じたくないなら指定席がおすすめです。

指定席とグリーン席の違い、料金や環境など

グリーン席は100km進むごとに加算される、ちょっとお高い「グリーン料金」が必要です。

東京から新大阪までのグリーン料金は、乗車時間約3時間で5,300円。「快適な時間をお金で買う」と考えると、1時間あたり1,770円くらいを支払う計算になります。

「快適さに1時間1,770円!これだけ払うのだから、その分しっかり満足させてくれるんだろうね?」なんていいたくなるのがサラリーマンの本音ではないでしょうか。

では指定席とグリーン席の違いを見ていきましょう。

座席(シート)の違い

飛行機でもビジネスクラスとエコノミーでは座席の広さが違いますよね。グリーン席はまさに新幹線のビジネスクラスといったところで、後の人に気兼ねすることなく席を倒すことができます。

シートには肘掛や足置きが設置されていいますのでリラックス性も十分。乗車時間を休息時間にしたい人や、仕事の時間に使いたい人におすすめです。

サービス・オプションの違い

新幹線のグリーン席では、なんと「おしぼり」が配布されます。飛行機では客室乗務員がおしぼりを手配りしてくれますが、同じサービスが新幹線でも受けられるんです。

たかがおしぼり・されどおしぼりです。自由席や指定席では配布されないサービスが受けられるこの優越感は、さすが1時間1,770円(東京から新大阪の場合)だけ出すだけのことはありますよね。

このほかにも、グリーン車にはこのような設備が整えられています。

・ひざ掛けの貸し出し
・全席コンセント(700系以降のもの)
・ラジオが聞ける
・手元照明

設備も飛行機並みですね!ひざ掛けを貸してもらえるのは、居酒屋でも美容院でも「なんとなく他の人より大事にされてる感」があって、筆者的には良いサービスだと思います。

環境の違い

グリーン車両に移動したと同時に「耳栓を突っ込まれたような静寂」に包まれます。この静かさには「乗客が少ない」というのも一要因としてあるのですが、グリーン車はもともと防音構造が他の車両とは違うのです。

そのため列車が出す騒音などもかなり軽減されあまり気になりません。また筆者の体感ですが防音だけでなく振動もかなり抑えてあると思いました(※実際に制振装置が施されているそうです)。

また床も歩く足音を抑えるために絨毯が敷かれている場合もあり、車内で起こりがちな「騒音」によるストレスはかなり軽減されるでしょう。

自由席を一番安く購入する方法

片道なら「回数券」を使う

新幹線の自由席には「回数券」という割安きっぷがあります。新幹線の回数券は6枚1セットで3カ月以内に使うことを前提に販売されていますが、やりくり上手な人たちはそのきっぷを1枚ずつ「金券ショップ」で購入しています。

金券ショップでは回数券を1枚1枚バラバラで販売してくれますので、乗りたいときに・乗りたい場所まで・乗りたい回数分買うことができます。ちなみにどれくらいおトクになるのかと言いますと、回数券の割引率はだいたい3%から5%程度です。

金券ショップも駅中に多いため入手もカンタン。1枚で買えるので「余る」ことがありません。このような点では回数券の購入がいちばん確実で・一番手軽だと言えるでしょう。

ただし、回数券は以下の期間は利用することができません。

  • 4月27日~5月6日
  • 8月11日~20日
  • 12月28日~翌年1月6日

大型連休や年末年始以外に利用するなら、回数券を上手に利用しましょう!

往復なら「往復きっぷ」を購入する

片道601km以上新幹線に乗るのなら、きっぷを往復で購入しましょう。

新幹線の往復割引が適用されるのは601km以上の区間を利用する場合で、適用されると乗車券代が1割引きになります。

適用される「601km以上」の区間は以下のとおりです。

  • 東京から姫路・岡山・広島・小倉・博多など
  • 名古屋から徳山・新山口・小倉・博多など
  • 新大阪から博多以降(九州新幹線エリア含む)

東京から岡山まで行く場合、通常は片道17,340円(往復34,680円)ですが、往復きっぷを買えば乗車券代が1割引になり、片道の合計金額は16,290円(往復32,580円)になります。

その差は2,100円!往復きっぷは学割とも併用できるほか、1年間の有効期限内ならいつでも割引額で新幹線に乗車できます。

宿泊ありなら「新幹線ホテルパック」を買う

宿泊付きで新幹線を利用するなら、往復の新幹線代と宿泊費がセットになった「新幹線ホテルパック」を購入しましょう。

この場合必然的に指定席を利用することになりますが、パックなら自由席より新幹線代が格安になります。

東京から岡山まで往復の新幹線代は割引適用を受けても往復32,580円ですが、ここにホテル代5,000円が加われば37,580円になりますよね。

しかし「新幹線ホテルパック」で東京から岡山の往復+1泊の宿泊代を検索してみると、37,580円を下回るプランがもりだくさん!

  • 岡山駅から徒歩5分の大規模ホテルA 29,300円
  • 岡山駅から徒歩7分のビジネスホテルB 29,450円
  • 岡山のビジネス街のビジネスホテルC 28,500円

(いずれも1泊2日・食事なし・1名1室のプランです。)

筆者がサラッと閲覧しただけでも、これだけの格安プランがピックアップできました。もっとも安い「ビジネスホテルC」なら、新幹線往復きっぷよりも4,080円も安い計算になります。

グリーン席を少しでも安く購入する方法ってある?

回数券を買う

回数券は一度に6枚分を購入することから1枚1枚の値段が割安になります。

金券ショップではグリーン車の回数券を販売していることがあります。しかしその割引率は東京から新大阪までの区間で500円から1,000円程度と「すっごくおトク!」というわけではありません。

「JR株主優待券」という掘り出し物があるケースも!

すべての金券ショップで販売されているとは限りませんが、「JR株主優待券」を利用すると1割から5割引きの料金でグリーン車に乗ることができます。もちろん、JRの株主である必要はありません。

常時販売されているかはわかりませんが、「ダメもと」で金券ショップを覗いてみるのも格安でグリーン車に乗れる1つの方法と言えるでしょう。

インターネット会員になる

新幹線の割安きっぷと言えば、どんどんユーザー数を増やしているのが「ネット予約」ではないでしょうか。

全国規模の新幹線のきっぷを予約できる予約サイト「えきねっと」では、指定席だけでなくグリーン車の予約も行えます。その割引率は近年例をみない大幅割引!

しかしすべての区間で適用されるものでもなければ、席数に限りがあるなど確実に入手できないのが難点です。しかしラッキーにも予約できればかなりのお得さになります。

ネット予約はとにかく下調べ(事前調査)が欠かせません。この他年会費がかかるところもありますので、自分に合った上手な使い方を模索する必要があるでしょう。

最後に

筆者が子どもの頃、毎年夏休みになると新幹線で名古屋の祖父母の家に遊びに行っていました。小学生の筆者にとってはまさに「大冒険」で、母からもらった2枚のきっぷを紛失しないように大事に握り締めていたのをよく覚えています。

小学校4年生のとき、改札出口できっぷを2枚とも駅員さんに渡してしまい「おい!ここで出すのは特急券だけだろうが!バカかお前は!」とひどく怒られたことがあります。2枚のきっぷの意味がわからない小学生にとってはハードな思い出となりました。

そして次の夏休み、同じ轍は踏まないぞと2枚のきっぷをしげしげと眺め「なにがどう違うのか」を観察し、2枚が別の目的をもったきっぷであることに初めて気がつきました。そのとき感じたのは「2枚に分けるくらいなら、違いをもっと明確にしたらいいのに!」という憤りの気持ちでした。

あの夏の日から数十年経ちましたが、JRのきっぷは進化どころか改善すらされていません。むしろネット予約により複雑さが増した気もします。今回の記事が少しでもお役に立ち、あの頃の私のような悲劇(?)が少なくなれば・・・と願うばかりです。

旅行が趣味で「節約はすべて旅行のため」と考える兼業ライター。旅行で貯めたポイントは生活消耗品代に使っています。最近は地理の奥深さに目覚め、「地理検定」を取得しようとヒマさえあれば日本地図とにらめっこ。わかりやすく・楽しい記事がお届けできるよう、頑張りますのでよろしくお願いいたします!