
みなさんは「公共の宿」をご存知ですか?
公共の宿とは、国や地方公共団体など「公の機関」が出資・運営する宿泊施設です。
一般的なホテル・民宿よりも格安な料金で利用できることで人気を集めています。
公共の宿にはいろいろな種類があります。
- 国民宿舎:自然公園や温泉地等の自然ゆたかな休養地に建てられた宿泊施設や休憩施設。国営と民営がある。
- かんぽの宿:かつては郵便局の簡易保険加入者のみ利用できた施設。民営化後は加入証明など不要で格安料金のまま利用できるようになった。
- 保養所:運営企業の社員や組合員が割安な料金で利用できる宿泊施設(一般人も割安価格で利用できる場合もある)。
- 国民休暇村:主に国立・国定公園内に置かれる、国民休暇村協会運営の施設。キャンプ場、スポーツ場などレクリエーション施設があるところが多い。
このほか、KKR・グリーンピア・メルパルク・サンプラザなどの名称の施設も、公共の宿の仲間です。
旅行が趣味の筆者にとっても「公共の宿」は非常にありがたい存在で、毎月出かける旅行の3回に1回くらいのペースで、公共の宿を利用しています。
公共の宿=安い。サービスは大丈夫?
リーズナブルな宿、と聞いたら「サービスが雑」とか「料理が少ない」、「建物が古そう」というマイナスイメージを持つ人もいらっしゃるかも知れせんね。
これは一般的なホテルや旅館と同じで「施設によって異なる」と言えるでしょう。
ときには値段以上のお部屋やお料理が提供されることもありますし、お値段どおりの場合もあります。(最近はリニューアルしホテルのような充実した設備を持つ公共の宿もあります。)
旅館ヤホテルとの違いは、「宿泊施設としての性質」だと思います。
公共の宿には、旅館やホテルのような「仲居さん」や「ホテリエ(ホテルマン)」「コンシェルジュ」といった特別なスタッフがいません。
ホテルや旅館では、仲居さんにお部屋に案内され(ときには荷物を持ってもらい)、お部屋でお茶を入れてもらって、ちょっと気の効いた会話を交わしたりしますよね。
ときには思わぬ心配りに「さすが一流のホテル!」と感動することさえあるでしょう。
公共の宿にはそんな旅館やホテルのような「特別な接遇」はほぼ、ありません。
その分、客側としても「こころ付け」や「チップ」を気にかける必要がないのです。
もちろん、かしこまる必要もありません。
サービスは最低限でいい・余計な気遣いをしたくない(されたくない)という人には筆者は公共の宿をおすすめします。
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尾道ふれあいの里とは

今回は、筆者が訪れた尾道市御調町にある公共の宿「尾道ふれあいの里」をご紹介します。
尾道ふれあいの里は、「株式会社みつぎ交流館」が運営する公共の宿泊施設です。
施設近隣には
- 道の駅「クロスロードみつぎ」
- グラウンドゴルフ場
- ソフトボール場
- 圓鍔勝三彫刻美術館
があり、ソフトボール大会が行われるときは選手のみなさんも尾道ふれあいの里を利用されるそうです。
施設内には体育館やテニスコートなどの付属屋外施設があり、クラブ活動やサークルなどの合宿にも活用されています。
市街地からのアクセスも良好で尾道北インターからも近いことから、ビジネスで利用される人も多いです。
御調町(みつぎちょう)ってどんなところ?

尾道ふれあいの里は、尾道市御調町にあります。
かつては「御調郡」という独立した自治体でしたが、2005年に尾道市に編入し現在の地名となりました。
尾道といえば港やしまなみ海道など、「海のイメージ」が強いエリアですが、御調町は海から離れた小高い山に囲まれた街です。
周辺は美しい山並みが広がり、緑に包まれて余暇を楽しむにはうってつけのロケーション。
夜には美しい星空が、秋には虫の泣き声が聴こえます。
御調町から尾道市街へは車で約30分、福山の鞆の浦までなら約50分。

山陰と中国地方の中間に位置していることから、「中国やまなみ街道」「しまなみ海道」へのアクセスにも便利です。
尾道ふれあいの里の温泉

尾道ふれあいの里は天然温泉を有し、日帰り入浴施設としても人気です。
浴場は「ほほえみの湯」と「ふれあいの湯」の2種類があり、それぞれに違った特徴があります。
- ふれあいの湯:露天岩風呂/大浴場(プラズマ湯)/歩行浴槽/遠赤低温サウナ/水風呂/露天掛け流し湯
- ほほえみの湯:露天風呂/大浴場(プラズマ湯)/炭酸風呂/遠赤高温サウナ/水風呂/露天足湯/掛け流し湯
偶数日、奇数日で男湯・女湯が入れ替わり、翌日は別のお湯に入ることができます。
筆者が入ったお風呂は「ふれあいの湯」です。(家族は反対の「ほほえみの湯」でした。)
第一印象は「広い!」でした。
大浴場は10人いちどに入っても十分な広さで、1人で入ったときには広すぎて逆に不安になりました。
大浴場のお湯は、実は西日本に1つしかない極めて珍しい「プラズマ温浴風呂」で、東日本の箱根以外ではここにしか存在しないのだとか。
プラズマ温浴の効能は、「体内の乱れた生体電流を整える」です。
前日ハイヒールで仕事に出かけ脚が痛かった筆者ですが、入浴後なんだか脚がすっきりした気がしました。
楽しかったのは、ウォーキングができる深さ110センチの「健脚の湯」。
38度のぬるめのお湯が満たされたS字状の浴槽内を歩くことができます。
張りきって歩いてみましたが、3周したところで動悸・息切れがしてきたのであえなく終了としました(お湯のせいではなく、単なる筆者の体力不足です)。
露天風呂は2つ、こじんまりとしたのがありました。2人が入れる程度で、3人目はちょっと遠慮がちに入ることになるでしょう。
しかし、その「こじんまりとした露天風呂」こそが源泉掛け流しのお湯なので、通り過ぎてはいけません。
季節によってお湯の種類が変わり、最大13種類のお風呂が楽しめるそうです。
尾道ふれあいの里の温泉
泉質:単純弱放射能冷鉱泉
鉱泉分類:低張性アルカリ性冷泉
効能:通風/動脈硬化/高血圧症/慢性胆嚢炎/胆石症/慢性皮膚炎/婦人病
洗い場もかなり広く、お風呂まで体育館をモチーフにしたのかと思うほどでした。
近隣のソフトボール球場で大会が開催される時には選手のみなさんが利用するのだとか。それを考えれば、この広さは納得です。
宿泊客には専用のロッカーがあり、カーテンで仕切られています。
宿泊と外湯では貸し出される館内着の色も違うので、宿泊客にはきちんと浴場入り口でロッカーの使い方を説明して下さいます。
さんざん「公共の宿は簡素なところがいい」とか主張しましたが、こういったこまやかな心遣いはやっぱり快適に感じられますね。
【注意】お風呂は営業時間が短い!

清潔で広く、お湯も楽しめる「ふれあいの里」のお風呂ですが、注意すべきは営業時間です。
宿泊であっても、夜は午後10時(9時30分で受付終了)、朝は午前6時30分から9時まで(8時30分で受付終了)しかお風呂に入れません!
「ご飯食べてテレビを観てからお風呂入ろう♪」なんて考えていたら、お風呂が閉まってしまうかも・・・。
全客室にシャワーがついていないので、最悪な場合は「翌朝までお風呂に入れない」なんてことにもなりかねません。
尾道ふれあいの里では、ご飯よりもお風呂を先に済ませることをおすすめします。
ふれあいの里の食事レビュー

ふれあいの里では、朝夕食ともに1階のお食事処「みつぎ」でいただきます。
外湯の方も来られており、にぎやかな雰囲気の中食事が楽しめます。
気になる公共の宿の食事ですが、筆者が勝手に「公共の宿の5種の神器」と名付けたものがあります。
それは、
- 野菜の天ぷら
- お刺身
- 固形燃料式の万能なべ(湯豆腐・しゃぶしゃぶ・陶板焼き・岐阜県なら朴葉焼き)
- メインディッシュ(川に近い宿:アユの塩焼き 山に近い宿:地元産のお肉)
- その他(わさびふりかけ・わさび漬け・山菜・こんにゃく・小鮎の甘露煮など地域性を示すもの)
どこの公共施設でも必ずお目にかかる「テッパンメニュー」のことですね。
尾道ふれあいの里の食事も例外ではなく、ご覧のようなメニューが提供されました(写っていませんが、左には万能コンロが置かれています)。

刺身三種盛りはすべて瀬戸内のお魚(カンパチ・タイ・イカ)が載っていて、瀬戸内らしいものでした。
唯一異彩を放っていたのは、これです。洋風にアレンジされたタチウオのソテーに、ラタトゥイユ風の野菜の付け合せです。

公共の宿の「神器」でいえば、ここはアユの塩焼きが来るところですね。
尾道は太刀魚が釣れる絶好の穴場です。
このように、惜しみなく地元のお魚を提供してくれるところも、公共の宿の律儀で誠実なところだと思います。
ここら辺ですでにおなかも6割ほど満たされましたが、引き続いて出てきたのは魚と野菜の天ぷらです。

個人的には天ぷらはこれくらいの量で十分。大根おろしと天つゆでいただきます。
この後、しゃぶしゃぶと御調産のお米「あかとんぼ米」とお味噌汁、デザートが出てきて終了でした。
不惑の年となった筆者には、量も味も十分です。
メニューも「良いとこ取り」がしてある内容で、費用と比べてもクオリティは高いと思いました。
「これでは足りない!」という人は、2階にある麺処「御里」(おさと)に行きましょう。
「御里」では豊富なメニューの中から好きなものを選んで食べられます(筆者の父親がこのお店を非常に高く評価しております)。
人気の「尾道ラーメン」もラインナップされていますので、夕食が物足りない人はぜひシメ(?)の一杯にどうぞ。
尾道ふれあいの里の客室レビュー

尾道ふれあいの里の客室は、洋室「はなみずき館」と和室の「さつき館」があります。
全部合わせて71室あります。
筆者が利用したのは、「さつき館」の和室タイプです。
部屋はご覧のように、非常にシンプルです。
6畳ひと間ですが、疲れを癒すのに広すぎる部屋は必要ありません。自宅にこもっているかのようなコンパクトさは、逆にこころが落ち着きます。
壁紙も畳も新しく、清掃も行き届き快適に過ごせました。
公共の宿の多くは、このようなシステム洗面台が設置されています。

ふだん自宅で使うタイプで、落ち着きます。
ピッカピカのキラキラホテルに比べたら、たしかに「簡素」です。
しかし、ビジネスホテルのような無機質さが苦手な人にはこの上ない「あたたかみ」が感じられます。
筆者は、こんなお部屋の公共の宿がほんとうに大好きです。
尾道ふれあいの里のアメニティ

室内備品
- 冷蔵庫
- 洗面台
- ドライヤー
- 歯ブラシ・コップ
- テレビ
- 金庫
- ハンガー
- 使い捨てスリッパ
- 館内着(作務衣)
- お茶セット
- 無料Wi-Fi
室内には小さい冷蔵庫(冷凍庫なし)、TVがあります。
トイレはついていますが筆者の部屋には浴槽・シャワーはありませんでした。
和室のふとんは、セルフで押入れから出して敷きます(これも公共の宿の楽しいイベントです。)
旅館やホテルなら夕食中に布団を敷きにこられますが、そのために部屋を「無意識に散らかさないように」しますよね。
もしくは、夕食に出る前にある程度片付ける。
結局、寝るまで落ち着けない・・。そんな気苦労がないのも公共の宿のメリットだと思います。
館内着は作務衣です。食事どころや温泉などそのまま着て出かけられます。
しかし、生地が若干分厚めでゴワゴワするので、着用して寝るには向いていないと思います。
気になる人はパジャマなどを持っていかれたほうがいいでしょう。
残念なのはWi-Fiの電波の不安定さです。
常に安定しないので仕事目的でPCを持参する場合は注意が必要です。
尾道ふれあいの里の詳細情報

公共の宿 天然温泉 尾道ふれあいの里
- 住所:〒722-0353 広島県尾道市御調町高尾1369
- 電話番号:0848-77-0177
- クレジットカード利用可:JCB/VISA/MASTER/AMEX/DC
アクセス
マイカーでアクセスする場合
- 岡山方面から 山陽自動車道 尾道北IC→国道486号線(約10分)
- 広島方面から 山陽自動車道 三原久井IC→国道486号線(約15分)
- 三次方面から 中国やまなみ街道尾道北IC→国道486号線(約10分)
- 今治方面から 瀬戸内しまなみ海道西瀬戸尾道IC→尾道バイパス→国道184号線(約40分)
筆者は関西方面から向かいましたが、途中福山市に用事があったため福山から尾道バイパスを経由して国道184号線に合流、現地に向かいました。
ルートの途中にはガソリンスタンドやコンビニもあります。

片側1車線ですが、交通量は少なく最後まで危険な箇所はありませんでした。日没後の運転はスピード控え目にしたほうが安全だと思います。

無料駐車場が450台分あります。かなり広いので駐車場所は吟味し、車内の忘れ物に注意してください。
尾道ふれあいの里のまとめ

尾道ふれあいの里は、近年建物をリニューアルしたばかり。
そのため客室周辺もとても綺麗で明るく、気持ちよく過ごすことができました。
筆者が訪れたときは夏休みの真っ只中で、大勢のお客様が来られていましたが館内の広さによって窮屈に感じることもありませんでした。
尾道ふれあいの里は、公共の宿ならではの親しみやすい雰囲気が魅力の宿泊施設です。
夏はもちろん、山々が色づく季節もきっと美しい景色が楽しめることでしょう。
広々とした館内や、大きなグランドなどは小さなお子さまを伴うご旅行にも最適の場所だと思います。
また、尾道から松江・出雲方面をつなぐ「中国やまなみ街道」も開通し、山陰地方へ向かう道中の休憩所としてもおすすめです。
年齢を問わずすべての人を温かく迎え入れてくれる「尾道ふれあいの里」に、ぜひ一度足を運んでみてください。


















