あなたが自宅に帰ると、郵便ポストにファッションカタログが投函されています。

受け取ったものを眺めていると、外装には「これは郵便物ではありません」とプリントされています。

郵便ポストに入っているのに郵便物ではないって・・・これはいったいどういうことなのでしょう?

「これは郵便物ではない」と書かれているのに郵便ポストに投函されるもの、その正体は「メール便」です。

このメール便、郵便局では「ゆうメール」、ヤマト運輸では「クロネコDM便」という名前で呼ばれる投函サービスの1つです。

今回は、ヤマト運輸の「クロネコDM便」についてご紹介したいと思います。

クロネコDM便とは?どういうときに使う?

「クロネコDM便」は、カタログやパンフレット、チラシを全国へ送ることができる、受領印をいただかない投函サービスです。

弊社とご契約いただいた法人や各種団体のお客さま、個人事業主のお客さまがご利用いただけます。

クロネコDM便とは?

クロネコDM便の“DM”は「ダイレクトメール」という意味で、企業のカタログや商品のパンフレットなどの「印刷物」を送るときに利用できるサービスです。

セールスドライバーが集荷に来てくれるクロネコDM便は、大量なカタログやパンフレットを送り出している多くの企業に利用されています。

そのため私たちエンドユーザーにも、しばしばクロネコDM便からの荷物が届くのです。クロネコヤマトの「宅急便」のように受け取りの印鑑やサインが要らないので、24時間いつでもポストで受け取れて便利ですよね。

「クロネコメール便」とはどう違う?

ヤマト運輸には、かつて「クロネコメール便」という個人単位で発送できるメール便サービスがありました。それに対し現行の「クロネコDM便」は法人・団体しか利用できません。

「クロネコメール便」は2015年に廃止となり、その後継サービスとして誕生したのが法人が対象の「クロネコDM便」です。

なぜ、クロネコメール便が廃止になってしまったのか?なぜクロネコDM便は法人専用なのかは、「メール便」にまつわるルールからその理由をひもとくことができます。

クロネコDM便は「信書」を送ることができない!

「信書」とは、個人の意思を伝えるための手書きの文書のことをいいます。もっとも身近なのは、手紙ですね。

クロネコDM便は先述のとおり「カタログやパンフレット、チラシなどの印刷物」を送るためのサービス」です。

これはヤマト運輸独自の見解ではなく、「ゆうメール」を展開している郵便局であってもメール便で手紙を送ることは禁じられています。

郵便物(信書)については、総務省がこのように規定しています。

我が国では、「郵便の役務をなるべく安い料金で、あまねく、公平に提供する」ため、郵便法により、日本郵便株式会社に郵便サービスの提供を義務づけています。
また、郵便のユニバーサルサービスの確保に支障を及ぼさないという観点から、手紙やはがきなどの「信書」は、総務大臣の許可を受けた信書便事業者に限って、その送達が認められております。

現在、日本郵便株式会社及び信書便事業者以外の者により、信書に該当すると思われる文書が送達されているという事例が散見されております。
このような行為は、郵便法第4条違反となる可能性がありますので、信書の送達に関しては十分ご注意いただきたくお願いします。

信書の送達についてのお願い

つまりヤマト運輸は信書便事業者ではないために、個人の手紙に属するものをポストに投函することは条例違反となるのです。

不特定多数の利用者全員がこのルールを守ってくれるとは限らず、万が一メール便で信書を送った場合罪に問われるのは他ならぬ送り主本人です。

何も知らないお客が罪に問われるリスクを失くすため、ヤマト運輸は企業や団体などの法人が専用の「クロネコDM便」へと大きくサービス内容を変更した、というわけです。(ちょっとビックリの理由ですよね。)

クロネコDM便は遅い?なぜ時間がかかる?発送から到着までどれぐらいの日数がかかるのか?

「クロネコDM便は到着が遅い。」こんなマイナスイメージがすっかり定着してしまっているようです。

なによりの証拠にインターネットで検索してみると、「遅い」「届かない」「日数」などの検索キーワードがたくさん表示されます。

宅配便より送料が安いというメリットはありますが、到着日が不明瞭かつ到着の遅さがイメージダウンを招いているようです。

クロネコDM便のお届け日の目安

クロネコDM便を利用する上でいちばん気になるのは、やはりヤマトが公表している「お届け日数の目安」です。

クロネコDM便の配達日の目安を、ヤマト運輸はこのようにアナウンスしています。

  • 発送地から400km圏内:翌々日
  • 発送地から400km圏以上:発送日を含む4日目
    ※一部地域を除く

東京から400km圏内の目安になるのは「西は岐阜県あたり」。岐阜県より西の大阪府へ送った場合の到着は「発送を含む4日目」になってしまいます。

東京から大阪への荷物って、ビジネス面でもニーズが高い思われるのに・・・4日もかかるんです。

これはヤマト運輸に好意的な筆者でも「遅いよなあ・・・どうにかならないものなのかなあ・・・」と言っちゃいたくなるレベルです。

なぜこんなに時間がかかるの?

東京から大阪へ送るのにも「発送日を含んで4日」はかかってしまうのですから、急ぎたい荷物の送付にクロネコDM便を利用するのにはちょっと気が引けてしまいますよね。

クロネコDM便が遅い原因は、以下の2つが考えられます。

  • クロネコDM便を配達する人員の不足
  • クロネコDM便は1日の配達回数が宅急便より少ない

配達する人員についてですが、宅急便を配達する人とメール便を配達する人はまったく別です。宅急便を配達するついでにメール便を投函・・・ではないんですね!

同じヤマト運輸の「宅急便」の場合、大きなトラックで朝から晩まで人員を交替させながら一定のエリア内を1日数回巡回しています。このような業務体制なので、指定した日に確実に宅配便を手元に届けることができるのです。

しかしメール便については担当エリアが一定でなく人員も少ないため、投函回数は1日1回が限界です。宅急便と同じレベルのキメ細やかなサービスを行うことはできません。

また、あくまで推測ですが「クロネコヤマト=すぐに届けてもらえるイメージ」が重なって「遅さ」をさらに際立たせているのかもしれません。

「ゆうメール」VS「クロネコDM」どっちが早い?

では、郵便局の提供するメール便サービス「ゆうメール」と配達の早さを比較してみましょう。

肝心の到着日数の早さで比較すると、以下のように「差」があります。

  • クロネコDM 400km圏内:翌々日 400km圏以上:4日目(発送日を含む)
  • ゆうメール 基本は翌日から翌々日 差出時間や距離によって翌々日

ゆうメールは「基本」の時点ですでに1日早く、東京から大阪の例では「翌日中到着」(受付時間によっては翌々日)となります。

クロネコDM便と比較すると、かなり早く感じられますよね。

もっとも差が出るのは、同じ東京から東京への発送した場合。ゆうメールが翌日なのに対し、クロネコDMは翌々日です。

このようにゆうメールと比較してしまえば、クロネコDMは間違いなく「遅い」といえるでしょう。

クロネコDM便は土日でも利用できる?土日も郵送してくれる?

「クロネコDM便は遅い!」たしかにゆうメールと比較するとクロネコDM便の遅さは否定できません。

しかし、クロネコの配達に曜日は関係なく365日毎日配達されます。

365日ということは、土曜・日曜・祝日もポストに投函してもらえるということ。

その点ゆうメールは、差出人が別途料金を支払って「速達」で送らない限り、日曜・祝日は配達されません。

つまり、カレンダーの状況によってはゆうメールよりクロネコDM便の方が早く届くことも十分あり得るのです。

クロネコDM便の配送状況を追跡する方法

クロネコDM便は、クロネコヤマトの荷物お問い合わせシステム」からスマホやパソコンで配達状況を追跡することができます。

ゆうメールのようにamazonからの荷物だけでなく、送られてくるすべての送付物が追跡可能です。

追跡するときには、「お問い合わせ番号」が必要です。ネットショップであれば、発送確認メールなどにお問い合わせ番号が書かれていますので、まずはそちらを確認してみましょう。

 

お問い合わせ番号を入力し、追跡を実行させると次の画面に切り替わり、荷物が今どんな状況なのかが「配達状況」に表示されます。

クロネコDM便の場合は「発送」と「投函完了」のどちらかが表示されます。

この画面で「伝票番号未登録」と表示される場合は、まだ発送センターで登録されていない状態です。

しばらく待ってもう一度アクセスしてみると「発送」に切り替わることが多いです。

翌日以降も「伝票番号未登録」の状態が続く場合は、教えてもらったお問い合わせ番号が間違っていることが考えられます。

そんなときは発送先に連絡をとり、正しいお問い合わせ伝票番号を教えてもらいましょう。

 

 

もし、すでに「投函完了」になっているにもかかわらず、翌日になってもポストに入っていない場合はヤマト運輸の営業所に問い合わせをしましょう。

ポストに投函されるクロネコDM便は、盗難の可能性がまったく起きないわけではありません。

目安の日にちを大きく過ぎても投函されない場合は、いったん「追跡サービス」で確認し、そこから問い合わせを行ってください。

もし、「発送」の状態が長期間続いているのなら、配達が遅れている・もしくは荷物が途中で行方不明になっている可能性があります。

また、「投函」になっているのに届いていないのなら、配達する人が先に「投函」状態にしたか・投函後に何らかのトラブルが発生した可能性があります。

残念ながら行方不明も盗難が起きた場合も、クロネコDM便は宅急便のような補償はついていません。つまり多くの場合、「泣き寝入り」することになるのです。

クロネコDM便には、このようなリスクも潜んでいることを理解しておきましょう。

最後に

クロネコDM便は、企業や団体などの法人から発送だけを受け付けるメール便サービスです。

そのため多くの人が「送る側」ではなく「受け取る側」となりました。

いつ届くか分からないそんなクロネコDM便に対しストレスを感じる人も実際少なくないのではないでしょうか。

近年、ネットショップでは「メール便で発送(送料無料)」か「宅配便で発送(送料負担)」を選べるショップがほとんどです。

お店任せにしないで、受け取る側が賢く使い分けることこそが、時間とお金の節約になるのではないでしょうか。

旅行が趣味で「節約はすべて旅行のため」と考える兼業ライター。旅行で貯めたポイントは生活消耗品代に使っています。最近は地理の奥深さに目覚め、「地理検定」を取得しようとヒマさえあれば日本地図とにらめっこ。わかりやすく・楽しい記事がお届けできるよう、頑張りますのでよろしくお願いいたします!