世界中どこへでも運んでくれる無敵の乗り物「飛行機」。しかしさすがの飛行機でも台風や大雪などの「悪天候」や機体トラブルには太刀打ちできません。飛行機が飛べないと判断された場合は、飛行機の出航を遅らせるか最悪な場合は「欠航」になることも珍しくありません。

天気予報でもある程度までは予測できますが、飛行機の欠航が決定されるのはいつも直前です。「ええ!そんな!」と思ってしまいますが、欠航となるのは「やむをえない事情」のとき。誰も責めることはできません。

「飛行機の欠航」は誰にもどうすることもできません。「このまま泣き寝入り・・・?」なんて頭では分かっていても、やっぱりモヤモヤしてしまいますよね。こんなとき、私たちはどのように対処すべきなのでしょうか。

できるだけモヤモヤを感じないためには、欠航時の航空会社の仕組みや対応方法を知って、できる限りの解決方法を知っておくことが大切です。今回は「飛行機が欠航したときのお金」を中心に、さまざまな疑問を解決しましょう!

飛行機が欠航になったら飛行機代は返金される?

欠航が決まったとき、航空会社は乗客に対しどのような対応をとるのでしょうか。まず最初に、航空会社が後悔しているQ&Aを参考にしてみましょう。

悪天候(台風・大雪)や自然災害などにより、運航に影響が見込まれる便につきましては、手数料をいただかずに搭乗予定便の変更(振り替え)および払い戻しを承ります。ご都合のつくお客さまは、お早めに旅程の変更をおすすめいたします。JAL Q&A

欠航した飛行機の料金は、振り替え・払い戻し、どちらも対応してもらえることがわかりますね。手数料についてはここに言及されているとおり、ほかの航空会社でも同じように「無料」となっています。

お金を返してくれる、もしくは別の飛行機の手配にも答えてくれるということですから、飛行機が欠航したからといって「丸損」することはなさそうですね!しかし、それはここまでのお話。飛行機が欠航するとき、私たち乗客側には、やるべきことと正しく理解しておくべきルールがあります。

まずは「飛行機代の払い戻し」にスポットを当ててやるべきこととルールを理解していきましょう。

飛行機代の払い戻しを行う場合の注意点

どんな人にでも「予定」があります。旅行の予定をいますぐ変更することは簡単なことではありません。「今日のチャンスを逃したら、この夏空の旅はもう無理だな」と判断したなら、早めに払い戻しの手続きをとりましょう。

払い戻しの手続きには有効期限がありますから、各社ごとに決められた期限内に手続きを行わなければなりません。

JAL  出発予定日+40日間(もしくは航空券の有効期限+10日)
ANA  予約変更できない航空券:出発予定日+10日間 予約変更可能なその他の航空券:種類によって異なる。
ピーチ   悪天候の場合:搭乗日より10日以内 航空会社による理由の場合:搭乗日より30日以内
スカイマーク   航空券の有効期限+10日以内 ※航空券の種類によって有効期限が異なる。

このようにある一定の猶予が設けられていますので、いったん自宅戻ってから払い戻しの請求手続きを行うことができます。注意すべきはANAやスカイマークのように「航空券の種類によって対応期限が異なる」場合があること。手元にある航空券の有効期限を確認しておきましょう。

払い戻しの手続きは難しい?

払い戻しは、窓口やWeb、電話などで手続きできます。(質問しながら手続きを進めたい人は窓口や電話が便利でしょう。)ここで気をつけたいのは、その飛行機を「個人」で申し込んだか「ツアー」で申し込んだ時の手続きの違いです。

飛行機代の払い戻しの考え方は、個人で申し込んだときとツアーで申し込んだときでは手続きの方法や考え方が根本的に違います。個人の場合、振り替えるか払い戻すかは「個人の判断」ですから、自分で払い戻し手続きを行わなければなりません。往復で航空券を購入している場合も復路も忘れずに手続きを行いましょう。

ツアーの場合の払い戻しはどうする?

旅行会社に申し込んで行く「ツアー」の多くは、予定の飛行機の欠航が決まった時点で中止になります。その場合、飛行機をキャンセルするのは個人ではなく旅行会社です。そのため、あなた(個人)は個人で飛行機代の払い戻しは受けず、ツアー会社からツアー料金の払い戻しを受けるということになります。

個人とツアーの違いは、飛行機代だけでなく宿泊費やイベントの参加費用などとまとめて支払っていることです。多くのツアー会社では、飛行機の欠航により、参加できなかった(利用できなかった)部分に関しては差額の払い戻しをしてくれます。もちろん、ツアー全体が中止になった場合は全額返金してもらえるでしょう。

しかし、ここで注意したいのは飛行機が欠航したことでツアーそのものを中止する場合と、搭乗便や予定日を変えてでも催行する2つのケースがあることです。この「中止する・しない」はツアー会社と担当者が決定しますので、「今日は中止だろうな!後で連絡くるだろう」と空港に行かないことで「個人の意志によるキャンセル」として扱われてしまいます。

当日欠航の可能性が高いと考えたら、まず一番にツアー会社に連絡を入れましょう。もしかしたら「当日便を変えて催行を検討中です。」と言われるかもしれません(これが自宅にいる状態だったら間に合いません!)

朝早い便に乗る予定の場合はツアー会社と連絡をとることができませんので、そんなときは連絡が取れるのを待つのではなく、予定通りに空港に到着しておきましょう。

欠航になっても次の便に乗れるなら振替手続きをしよう

払い戻しと同様に、振り替えに関してもほぼすべての航空会社では無料で手続きをしてもらえます(ただし有効期限があります)。悪天候時の場合は各社とも欠航になってしまうので当日中の振り替えができないケースもありますが、機体の不具合など「航空会社の事情による欠航」の場合は、自社便以外の便も含めて振り替えしてもらえます。

他の便が運行しているとわかったら、即座に振り替え手続きを係員に申し出ましょう。同じように振り替え希望の人がカウンターに詰め掛けますので、行く・行かないの判断は早いに越したことはありません。

当日行くと決めた場合の手続き方法

どうしても旅行は中止しない!かならず現地にたどり着く!と決めたならすぐに以下のいずれかの手続きを行いましょう。窓口は全部で3つあります。

  • 予約している航空会社の空港内カウンターへ行く
  • Webから変更の手続きを行う
  • 航空会社のコールセンターに電話をかける

空港に到着しているなら、航空会社のカウンターへ行くのが最も確実です。係員と相談しながら手続きが進められるので飛行機の旅に慣れていない人にはとくにおすすめの方法です。

このほか、航空会社のホームページ上からの変更やコールセンターへの電話でも振り替えの手続きができます。オンラインで予約した場合はホームページ上で当日から3日以内の便に振り替えることができます。

欠航当日は、空港のカウンターも電話も必ず混雑します。Webもつながりにくいので、あらゆる方法で手続きができるように事前に連絡先の準備をしておきましょう。

旅行を後日に改める場合

もし「今日はもう中止して旅行は後日に改めよう!」という場合は、当初の出発日から30日以内なら無料で新しい予定に振り替えることができます。またその場合は有効期限内に手続きを行わなければなりません。いつまで振り替えが可能なのか、利用する航空会社のホームページをしっかり確認しましょう。

ツアーの飛行機を振り替える場合

ツアーの場合の振り替え手続きは、添乗員が同行するかどうかで手続きが変わります。近年は飛行機と宿泊だけを申し込むツアーが人気で、添乗員が同行しないタイプも増えてきています。

添乗員同行の場合は添乗員が代表して手続きを行いますので基本的に指示に従えばOKですが、添乗員が同行しないタイプのツアーで振り替えする場合は、個人と同様自分で振り替えの手続きを行わなければなりません。

また、ツアーで飛行機を振り替えする場合は、手続き前に必ずツアー会社へ連絡を入れましょう。ツアー会社によっては振り替え便の対応を受け付けてくれない場合があり、極端な場合飛行機代を自己負担することになりかねません。

さらに、1泊2日のツアーであっても「復路」は予定通りの便に乗ることになります。翌日の飛行機に乗り換えた場合は日帰りとなりますのでツアーの場合は振り替えたことで滞在時間が短くなってしまうのです。

当日振替する「リスク」も知っておこう

当日振り替えをすることでどうしても避けられないのは「到着時間の変更(それに付随する待ち時間)」「航空会社の変更」「直行便から経由便へ変更」の3つです。

また、場合によっては「宿泊が必要になる場合」もあります。振り替え先の飛行機が見つかっても、それは必ずしも当日になるとは限らないからです。そのような場合は、宿泊先は自分で手配しなければなりません。

振り替えの飛行機が翌日と決まったら、宿泊先の手配も忘れず行いましょう。(そのようなケースで発生した宿泊費はどうなるのか、次の項で詳しく説明します。)

LCCを利用するときのリスク

ANAやJALなどの一般航空会社は、出航する便数が多いため当日の振り替えも決して不可能ではありません。しかし、ピーチやジェットスターなどのLCC(ローコストキャリア)は1台の飛行機がピストン運行するところが多く、必然的に1日の便数が少なくなります。そのため振り替えできるとしたら当日のかなり遅い時間、もしくは翌日以降となるでしょう。

さらに、LCCが振り替えできるのは「自社便のみ」とされ、般航空会社(ANAやJAL)はおろか、同じLCC同士でも振り替えることはできません。つまり、LCCが欠航となった場合は次のような方法しか手段がないのです。

  • 振り替えるなら、何時間も遅い時間か翌日以降になる
  • 振り替えができないなら、払い戻し

「LCCは不便だなあ・・・」と思うかもしれませんが、LCCの航空券が一般よりも安いのは、このような「欠航時の補償」などが含まれていないから安いのです。安いのには必ず理由があると割り切って、すばやく次の行動に出るのが得策と言えるでしょう。

欠航になって今日中に乗れず明日の便になる場合は宿泊費もらえる?どこにどのように連絡すればもらえる?

無事振り替えの飛行機の予約完了ができて一安心!これで目的地にどうにか到着できることになりました。しかし、予約できたのは明日の便。そのような場合、待ち時間を過ごすには、空港で待つか・宿泊先を確保するかのどちらかです。

ホテルなどの宿泊を余儀なくされた場合、気になるのは「宿泊代の負担」ですよね。1泊安くても5,000円かかることを考えればけして安い出費ではありません。航空会社に補償してもらいたい気持ちになりますが、航空会社が宿泊費を補償の対象とするのは以下のようなケースです。

ANAのホームページにはこのように記載されています。

当社に起因する理由によって長時間の遅延、欠航が発生し、到着予定日に最終目的地に到着できない場合には、宿泊費等の諸費用をご負担いたします。

・天候など当社の管理の及ばない理由による遅延、欠航においては、当社の可能な範囲にて宿泊施設等の手配をお手伝いいたします。ただし、費用はお客様のご負担とさせていただきます。ANA Q&A

これをまとめると、飛行機の欠航の原因が航空会社にある場合のみ、宿泊代は負担してもらえるということになりますね。悪天候の場合はすべて「お客様のご負担」としっかり明記されています。

台風や大雪は誰のせいでもありません。もちろん航空会社にも責任はありません。ときおり欠航が決定したことを責め立てている人を見かけますが、これは「とんだお門違い」です。

ちなみに飛行機と鳥の接触による「バードストライク」は避けることができない自然現象ですから、悪天候と同じ扱いとなります。

立て替えた宿泊費の請求方法

宿泊費を立て替えた場合の、有効期限内に必要書類を航空会社へ郵送することで精算できます。有効期限は搭乗日予定日から10日間。自宅に戻ったら速やかに手続きを行いましょう。

航空会社へ送るものは以下の3点です。

  1. 乗れなかった(振り替えした)航空券
  2. 立て替えて支払った宿泊費の領収書(ホテルなどが発行したもの)
  3. 航空会社各社が発行する「立替費用精算書」に記入したもの

これらの書類を各社が指定する窓口へ郵送すると、指定した口座に立て替えた金額が振り込まれ精算が完了します。なお、いったん送付した書類は返却されませんのでご注意下さい。

欠航になって新幹線を使って移動した場合、飛行機代と新幹線代は負担してもらえる?

飛行機が欠航になっても、行き先によっては新幹線などの別の交通手段を使い目的地に到着できる場合があります。しかしここでも気になるのは「交通費の負担」ではないでしょうか。

もし、飛行機代より新幹線代の方が安いなら払い戻ししてもらうことで交通費はまかなえますが、新幹線代の方が高い場合は差額代金が発生しますよね。交通費に対する考え方も宿泊費とほぼ同様です。欠航の理由が航空会社に起因する場合は、以下のとおり新幹線代も補償されます。

他の定期公共交通機関への振り替えに際して発生した運賃差額や、振り替えに際して発生した交通費・宿泊費をANAが定める範囲においてお支払いたします。 ANA Q&A

しかし、ここにも明記されているように、支払われるのは「ANAが定める範囲内」です。分かりやすくいえば、「新幹線代が飛行機代を上回ったとき」に限られ、払い戻されるのは発生した「差額分」となります。

立て替えた交通費の請求方法

交通費を立て替えて支払った場合の請求方法は、宿泊費と同様すべて郵送にて受け付けられます。航空会社へ送るものは以下の2点です。

  1. 乗れなかった(振り替えした)航空券
  2. 立て替えて支払った交通費の領収書
  3. 航空会社各社が発行する「立替費用精算書」に記入したもの

精算できる有効期限は宿泊費と同様、飛行機が欠航した日から10日以内ですので、期限内に手続きを完了させてくださいね。

最後に

筆者は昔、管制塔のトラブルで飛行機の出発が6時間も遅れたことがあります。しかし当時の私の頭には「払い戻し」という知識がなかったために、ひたすら待つという選択しかできませんでした。

今思えば、飛行機代を払い戻して公共交通機関を利用して陸路で行けば良かったのです!このとき筆者の知識と行動力がなかったばかりに、現地で待つ友人との食事会に欠席することになりました。

飛行機は、当日のお天気が快晴でも欠航する可能性はまったくゼロではありません。空港に行ってみてビックリ!とならないためにも、前日には念のため飛行機の運航状況を確認しておくことや、万が一欠航となったときの解決策を頭に入れておくことをおすすめします。

旅行が趣味で「節約はすべて旅行のため」と考える兼業ライター。旅行で貯めたポイントは生活消耗品代に使っています。最近は地理の奥深さに目覚め、「地理検定」を取得しようとヒマさえあれば日本地図とにらめっこ。わかりやすく・楽しい記事がお届けできるよう、頑張りますのでよろしくお願いいたします!