生まれてすぐは寝てばかりの赤ちゃんもだんだんと周囲のものに興味をしめし始めます。

そんな姿を見るにつけ「いろんなものを見せて、いろんな体験をさせてあげたい!」と考えるのが親心。

大きくなったわが子を「家族旅行」に連れ出せるときを待ちわびている親御さんも多いのではないでしょうか。

しかし、子連れの旅行には「子どもが泣くかもしれない」という心配がつき物です。

とくに「長時間フライト+密室状態」の飛行機においては、子どもを泣かせることは親としてもはどうしても避けたいところですよね。

「静かにしていてね。」という制御が利かない小さな子どもを、泣かさないようにするにはどうしたらいいのでしょうか?

今回は赤ちゃんや小さなお子さまと飛行機に乗るときの過ごしかたについてお話しいたいします。

2時間以上のフライト中に子供が泣かないようにする過ごし方について

どんな子も「ぜったいに泣く」と仮定して対策をしよう

飛行機に子どもを乗せるときは「うちの子は泣かないかも?」と考えず、「ぜったいに泣く」と仮定して準備することをおすすめします。

「うちの子は、大人しくてよく言うことを聞く子だから」と思っていても、すべて親の思い通りにならないのが子どもです。

大荷物でバタバタと出かけ、長い間車に揺られ、大勢の人でひしめきあう空港内を通過し、見たこともない乗り物に乗るのですから、道理が理解できない子どもがいつもどおり大人しくいられるはずがありません。

それが3歳以下の子どもなら、高確率でグズったり・泣いたりするものと考えておいたほうがあとあと無難です。

いちばん良いのは「寝かせる」こと!

飛行機で子どもを泣かせないもっとも確実な方法は「子どもに寝てもらう」ことです。

日本ではまだ広く受け入れられていませんが、アメリカでは子どもは飛行機に乗るとき睡眠薬を飲ませることがあります。

その目的は、もちろん「飛行機内で騒がせないため」です。

それほど飛行機の中に響く子どもの声はセンシティブに扱われるんですね。

日本ではまだ睡眠薬の処方は賛否両論あるようですが、寝てもらうことで親の心配が消えるのは事実です。

とは言え、「寝なさい」と言って大人しく寝るような子はまずいませんので、自然に眠くなるように親が仕組んであげなければなりません。

子どもを飛行機で寝かせる方法①:昼寝の時間に飛行機に乗る

2時間程度のフライトなら、子どものお昼寝時間に合わせて飛行機に乗るのも泣き声対策方法の1つです。

いつも14時ごろにお昼寝をする子なら、14時あたりに出発する便の予約を取りましょう。

食事もフライトに合わせて前倒しや後送りにせず、いつもの時間に食事を済ませましょう。

子どもを飛行機で寝かせる方法②:搭乗の直前までに「疲れさせる」

飛行機に乗るまでにクタクタになるまで遊ばせて、子どもを疲れさせておく方法もあります。

一緒に遊ぶ親御さんもたいへんですが、飛行機で泣かせたくないならこの方法はかなり有効です。

しかし、疲れさせるタイミングが早すぎると車内や親の背中で寝てしまい、飛行機内で目を覚ます危険性があります。

空港内のキッズスペースなどを利用して「乗る直前」に体力の限界が来るように遊ばせてみましょう。

ふだんの生活ペースを崩さないことも大切!

この2つに共通して大切なのは、「いつもと同じ生活ペースをさせること」です。

出発の日はワクワク感で張り切ってしまいがちですが、張り切るのは親だけにして子どもにはふだんと同じ生活をさせましょう。

極端に早起きをさせたり、いつもと違う時間に食事を摂らせたりすることで興奮しやすく、その結果眠りにつきにくくなります。

赤ちゃんを乗せやすい座席を選ぼう

子どもはいつ泣き出すかわかりません。

3歳までの子どもが泣くのには、ワガママとはまた違う理由が必ずあります。

それでも「泣いても仕方がないもの」とすべての人が好意的に受け取ってくれるとは限らないのが、子連れにとってもっとも辛いところですよね。

とくに平日のビジネスタイムなど、働く人が多く乗る飛行機では「否定的な傾向」がより強く現れやすいと考えておきましょう。

(通勤電車とベビーカーの関係と同じです。どうしてわざわざ通勤時間にベビーカーを乗せるのか?という意見が多いですよね。)

赤ちゃんや子どもを飛行機に乗せるとき、ビジネスマンの多い時間を避けるだけでも周囲の冷たい視線を緩和することができます。

また、緊急事態でない限りは赤ちゃんが泣いても「許されやすい席」を選ぶことが大切です。

赤ちゃんや小さな子どもを乗せやすい席とは

  • グズッたらスムーズに連れ出せる「通路側の席」
  • 前の人がいない「いちばん前の席」(前の人の席を蹴らないため)
  • 抱っこしてあやしやすい「いちばん後ろの席」
  • ビジネス利用者が少ない路線
  • 簡易ベッド(バシネット)がついた席

となります。

これをクリアしているだけで、同じ泣き声でも周りの人の受け止め方が大きく違ってくるはずです。

なぜなら人が感じる子どもの泣き声に対する嫌悪感は、「泣いている子ども本人」に対してではなく「きちんと対処しない親」に対して向けられるから、なのです。

こどもが寝てくれないならおもちゃで遊ばせよう

お昼寝さえしてくれれば杞憂なくフライトタイムが過ごせますが、大きな音や人の声、乱気流による揺れなどで子どもが起きてしまう(または寝付かない)ことがあります。

そんなとき、小さな子どもに「黙って座っていてね!」は無理難題。

起きてしまったり、なかなか寝付かないときはおもちゃで子どもと遊んで過ごしましょう。

おすすめのおもちゃは

  • 絵本
  • iPad
  • その子にとって「初めて」のおもちゃ

初めてのおもちゃは新鮮なので、子どもの興味を引くことができます。また、少し大きくなったお子さまには絵本も集中しやすいのでおすすめです。

逆におすすめしないのは「音がでるおもちゃ」です。iPadを使って動画を見せる場合にも音への配慮を欠かさないようにしてくださいね。

赤ちゃんがくつろげる「バシネット」とは?

「バシネット」とは飛行機に備え付けの「乳児用ベッド」のことです。

主にフライト時間が長い国際線で利用することができますが、ANAでは国内線でもバシネットの利用が可能です。

バシネットが使えるのは10kgまでの赤ちゃん。フラットなベッドなので、いつもと同じ体勢をキープすることができ、赤ちゃんもリラックスしてくれるでしょう。

筆者の乗った飛行機にもバシネット利用のお客さんがいらっしゃいましたが、赤ちゃんは存在すら感じさせないほど静かに寝ていました。

やっぱりフラットな体勢が落ち着くんだなあ、とバシネットの威力を感じました。

バシネットを利用するには電話による事前予約が必要で、席の場所や人数も限られるため早めの予約が肝心です。

子供は何歳から飛行機に乗せても大丈夫?1歳や2歳でも飛行機に乗せても大丈夫なのか?

JALとANAでは、飛行機に乗せる赤ちゃんの年齢を「生後8日以降から」と規定しています。

そのため1歳や2歳のお子さまであれば、ほぼ問題なく飛行機に乗せることができます。

しかし、飛行機に乗せることはできても子どもが必ず快適に過ごせるとは言い切れません。

両親がこまめにケアしてあげなければ、気圧の変化・乾燥した空気などが容赦なく小さな子どもの体を刺激します。

機内でもっとも起こりやすいのは、気圧の変化に合わせて起きる「耳の不調」です。

大人であれば、唾を飲み込む・あくびをするなどして自発的に「耳抜き」ができますが、赤ちゃんや子どもに同じ要求はできません。

大人が感じるよりも早く耳に不快さを感じ、グズり始めるお子さんも多いです。

赤ちゃんやお子さまを飛行機に乗せるときは、気圧の変化に応じて飲み物を飲ませるなど「耳抜き」をしてあげましょう。

もちろん、温度調節などの環境もしっかり整えて「いつもと同じ安心できる環境」を作ってあげてくださいね。

最後に

かつて高級な乗り物だった「飛行機」、今ではすっかり身近な乗り物となりました。

ほんの10数年前まで飛行機は「大人が乗るもの」で、大人の振る舞いやマナーによって静かな環境が出来上がっていたように思います。

しかし、近年飛行機が格安になったことで客層が変化し、機内で赤ちゃんや子どもの姿も目に見えて増えました。

「どうして飛行機に子どもが乗っているんだ!」と今さら怒る人はいないと思いますが、ビジネスで便利な飛行機は、小さなお子さんを連れた親にとっても便利ですよね。

むしろ「泣き出す前にさっさと移動させたい」からこそ、スピーディな飛行機を選択している人も多いのではないでしょうか。

それでも、子連れにはどうしても厳しく冷たい視線が注がれるのが現実です。

多様性を受け入れる視野の広さが求められる日本。

ビジネスマンも子供連れ家族も「乗り物にはいろんな人が乗ってくる」という意識の変化と、互いの立場の再認識が必要なのではないでしょうか。